「ルールを守ることは楽しいか?」と聞かれると、大人は「楽しい」と即答することにクエスチョンがつくかもしれません。我々の生活の中にはいくつものルールがあり、誰もがそのルールの上で生活を送っています。子ども達も保育園という集団で生活する場や、園以外の社会生活の中でも様々なルールがあり、成長と同時にそのルールを守ることを受け入れられるようにならなくてはなりません。社会の中に身をおくためにはルールを守る必要があります。
そこで、柳町園では遊びの中のルールに接し、そのルールを守ることで遊びが楽しくなるという経験をし、生活の中でもルールを守ることが自分の喜び、そして相手の喜びにつながっていくことを理解していけるよう保育しています。子どもたちは次第に遊びを通してルールを理解し、守ることによって集団で遊ぶことが可能になり、楽しく遊べるという事が分かっていきます。
ルールを守らないと様々な遊びは成立しません。それは鬼ごっこでもそうです。ルールを破って遊ぶ子には、みんなが猛烈に反発します。これはルールを守ることを遊びにしているからです。子どもたちはルールを守って遊ぶことが大好きで楽しいと思っているといえます。
年中~年長くらいになると「ルールを守ることが遊び」というところから、「如何にそのルールの中で楽しむか」という考えに変わってきて、目に見えないルールが表面化されることがあります。これはサッカーの試合で手を使えないという状況で、「手を使う」という判断をするのではなく、戦術を練ったり、練習して足技を鍛えたりするということがそれに当たります。ルールを守るだけではなく、決められたルールの中でいかにして勝つかを考え始めるます。これがルールが表面化(表に出てくる)されるということです。
室内でのルールのある遊びとは、主に幼児クラスで行う「ゲーム」をさします。カードゲームやボードゲームなどで、子ども達はルールを守りながら勝ち負けや遊びを楽しみます。ゲームの種類は実力で勝てる物、ひらめきで勝てる物、偶然性で勝てる物など様々ありますが、ほとんどのゲームが勝ち負けによって終了します。幼児期の子どもの特性を考えると、1回のゲームにかかる時間が長いゲームは不向きで、勝負がつくのが速いゲームを何度もするほうが、子どもが途中で「やめた」といって飽きないので向いています。
最初は保育士がルールを説明し、遊び方を教えますが、子ども達は自然とより楽しい方向にルール変更していくことがあります。ルール変更は場合によってはかまわないかもしれませんが、特定の子が有利になるような横暴な形でのルール変更は元に戻す必要があります。同じ遊びでも「地元ルール」というのもありますよね。
ルールのある遊びは、その多くが一人では遊べないため、人との関わりを必要とします。そのため仲間と関わって遊ぶということができない乳児期には遊びがなかなか成立しません。年少クラスでも難しいことがあるので、導入時期を考える必要があります。
ルールを守るという規律性を育ててくれる遊びは子どもにとって必要な遊びの一つです。
|