3月の春風にかすむ目をどれだけこすっても
嘘のような1年からまだ醒めません
ご家族やお知り合いが陽性となり
辛い闘病生活や世間の目におびえた方もおられるでしょう
なかには永遠の別れをされ深い悲しみの中におられるかもしれません
仕事や学校での人とのつながりが絶たれ
不安と孤独の中で安全な場所がわからず
ウィルスの足音におびえながら制限と消毒とマスクの毎日
私たちの積み上げた生活のすべてが崩れた1年でした
私は世界を救うワクチン開発ができないので
早く誰かが作ってくれることをただ祈り願うしかできず
まるで逃げて見ているだけのような自らの無力さを痛感しました
だから今わたしにできることを考え
スタッフと共に保育で世界の為になれるよう
社会と教育を止めずに動き続けました
「困っている保護者の支えになるのは私たちだ」
「私たちが子ども達への教育を止めてはいけない」と…
柳町園の行動が少しでも皆様の生活を支えることができていればうれしいです
最初の緊急事態宣言発令中には
開園を続け、家で自粛するご家庭に直接保育を届けました
(一時預かり保育や子育て支援ができず希望者には申し訳ない気持ちです)
園内で密にならない保育や食事環境の大幅な見直し
サーマルカメラ、使い捨ておしぼり、おむつの定額制の提案と導入など
そのすべてが正しいのかわかりませんが
私たちは数多く新しい取り組みをしました
恐れず前に進む一歩を踏み出し続けられたのは
保護者の皆様の寛容な心と
園で過ごす子ども達のおかげです
社会と大人が混乱しおびえているときも
子ども達はなにひとつ変わらない笑顔で過ごしていました
制限が増えていっても
その中で自由を探し変わることなく過ごしていました
子ども達の姿を見るたびに
チルドレンファーストの言葉が胸に残りました
「私たちがこの子たちを守るのだ」と
ホント子どもから勇気づけられること
子どもに助けられることって多いです
3月は終わりの月
卒園や退園で悲しい季節
まるで「夕暮れ時」」のようにみえますが
私には「彼は誰時(※かはたれどき)」のようにみえます
※隣にいる人がまだ薄暗くてわからない日が昇る前の早朝の時間
この1年誰もが暗い日々を過ごしていましたが
ようやく状況がつかめてきて周りが見え
ワクチンや新生活など少しずつ光が見えてきました
私たちが作る現在が 子ども達にうれしい未来となるように
子ども達が作る未来が 私たちに素敵な世界を見せてくれると願って
卒園・入園・進級・引っ越し・就職…
もうすぐ4月
全ての人にまたあらゆる新生活がやってきます
明るい未来を信じずして明るい未来は来ません
希望に満ちるのが子ども達だけなんてもったいない
私たち大人だってワクワクして子ども達の手本となり続けたい
子ども達に希望をもって生きていく姿を見せ続けたいですね
かはたれどき
それはもうすぐ光が差し込む瞬間
私は何度でもリスタートします
皆さんと共に新しい世界へ
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